〈YMH〉一人でしっとり日帰り、はるかでもない尾瀬
小学生の時以来だから30年ぶりでしょうか。
尾瀬に行ってきました。
尾瀬は、群馬・栃木・新潟・福島の4県にまたがる国立公園。
高層湿原に伸びる木道の写真や映像を見たことがある方も多いと思います。
標高1500mぐらいの山岳地帯なんですが、
写真のようにずーっと平坦なので、老若男女誰でも歩くことができます
(※でも、登山靴推奨です)。
思い出は美化されていて、30年前ほどの感動はなかったのですが、
良い所であることには変わりなく、また誰かと来ようと思いました。
…………
東京(池袋)からの夜行バスで朝5時頃、鳩待峠(画像)に到着。
ここは様々な尾瀬アプローチの中でも一番人気の場所。
手前の戸倉というところで大きなバスからマイクロバスに乗り換えて、
ここまで来ました。
ちょっとだけ晴れ間はありましたが、この日は基本的にずっと曇り。
でも、前後の日は雨だったようなのでまだマシでしたが。
今回はソロ活動です。
友人知人に声を掛けましたが、平日で皆仕事などがあったため参戦不可。
適当にネット検索して、これを利用。↓
東京から往復でおにぎり弁当を付けても1万円を切るリーズナブルさ。
バス車体も立派でクリーンで、女性客が多かったです。
シーズン中は毎日出ているツアーのようです。
でも、僕はここのツアーは2度と使わないと思います。理由は……、
■前後の席間がかなり狭い。
ほとんどリクライニングできません。
後ろの人に「それ以上は膝が当たってきついっす!」と言われます。
バス社内のあちこちでそんな声が上がってました
(私は言われませんでしたが)。
特に僕は巨人族(190cm)なので席間の狭さには辟易しました。
ただでさえ4列シートで、隣の人(知らないおっさん)と
ずーっと肩寄せあってるのに、前後も詰まってたらそりゃ安らげません。
まあ、それでもノーリクライニングでうとうとできるぐらいには、
寄る眠気には抗えないおっさんになりましたけど(笑)。
せめて3列シートバスがあれば良いんですけどねぇ。
僕は高くてもそれを選びます。じゃないと身体に悪いです。
この会社、詰め込む発想しかないのかな〜と残念な気分になりました。
■ちんたら走る。
池袋から鳩待峠まで、自家用車で行けば標準的なスピードで走って3時間です。
それをこのバスツアーでは6時間かけます。
23時に出発して5時着(乗り換え1回含む)。
池袋を出て高速道路(関越道)に入りますが、短時間で下道に降りて、
その後はずーっと下道です。そして、トイレ休憩は3回。
それではストップ&ゴーを繰り返すことになって無駄に揺れるし、
街灯りが眩しいしで、あまり寝れたもんじゃないです。
素人考えなのは百も承知ですが、
集合時間をもっと遅くして、さくっと走って、
目的地に到着してからバス内で休憩させとけば良いんですよ。
別に4時にバスから降ろしたって、この時期なら寒くないから死なないしね。
客によっては、ヘッデン(ヘッドライト)点けてでも、
早く歩き出したい(現地行動時間を長く楽しみたい)って人もいるはず。
さらに、帰りのバスはトイレ休憩と称して、
地元のなんとかっていう、でかいお土産物屋に寄ってました(30分ぐらい)。
りんごのお菓子がどうのこうの言ってたな……名前、覚える気もなかったけど。
「業者とうまく協業してるからこそ、ツアー料金が安くできてるんです」
「うちはツアーバスですから」
ということなのかもしれないけど、
はっきり言ってハイカーにはいらないサービスです。観光客じゃないんだから。
歩き疲れてるし、さくっと寝たいし、
関越道が混む前に1分でも早く帰れよって思うだけ。ホント無駄。
ニーズを掴んでないなと思います。
バスツアー全般が似たようなもんでしょうから、
「そういうものだから諦めろ」「嫌なら乗るな」って言われると思いますが、
「ハイカーだけのバスなら、それじゃダメでしょ」って言い続けたいと思います。
ホントこれは思考停止してると思いました。
僕は少なくともこの会社はもう使わないし、
できるならクルマで行こうと思いますけどね。
…………
……と、長く書いちゃいましたけど、
だからこそ、バスから開放された時の気分は最高でした。
バス「ツアー」でしたが、現地到着後は完全自由行動です。
今回は鳩待峠から入って、標高を下げて、湿地帯(尾瀬ヶ原)を
ぐるっと7時間ぐらいで周回するハイキングコースを選択。
ほんとは尾瀬ヶ原を部分的に歩いた後、
至仏山なり、他の山なり、周囲の山に登りたかったんですが、
ずーっと曇っていたので上に行っても展望もないだろうし、諦めました。
晴れてても、なんだかんだ理由つけて登ってなかった気もします(笑)。
…………
これこれ。これが見たかった。
鳩待峠から1h。尾瀬ヶ原に入った瞬間の感動はやっぱり大きいです。
正面の大きな山は燧ヶ岳。
背中側には至仏山があります。いつかは繋いで歩いてみたいものです。
…………
朝、到着地で配布される(申し込んだ人のみ。有料)おにぎり弁当。
尾瀬ヶ原まで持ち込んで食べました。美味しかったです。
…………
ニッコウキスゲに間に合いました。そんなに多くはなかったけど。
…………
鳩待峠から入ると尾瀬ヶ原の奥の方にある「見晴」エリア。
山小屋がいっぱいあって、のんびりできそうで、次回は泊まりたいと思いました。
一般的な山小屋とは少し違い、
風呂があり、トイレがほとんど水洗で、部屋は個室が多いそうです。
女性や家族連れで来ても泊まりやすそうですね(※要事前予約)。
たぶん30年前に来た時には家族でこの辺の山小屋のどれかに泊まったはず。
…………
アザミに止まるチョウ。
他にも、バッタ、トンボ、アブ、カナヘビ、サンショウウオ、魚……など、
生き物たちが活発に動いてました。
…………
歩荷(ぼっか)さんを2人ぐらい見かけました。
100kg前後担ぐそうです。鍛え方が違いすぎます。
…………
さすが平日、尾瀬と言えど、そこまで人は多くなく……と初めは思ったのですが、
特に鳩待峠への帰り道ではたくさんの人とすれ違いました。
学生っぽい人が多かったので、遠足とか林間学校とか、ガイド付きツアーとか、
そういう人が多かったのでしょう。
土日を避けて平日に山に行ってると、割とあるんですよね。
団体が多くてかえって混む&うるさいってことが。
でも、尾瀬の場合は木道が2本敷かれているので、
そんなに渋滞になることも、すれ違い困難になることもないのはまだマシ。
そして、尾瀬ヶ原周回だけで鳩待峠に戻った僕は、
帰りのバスまで2時間ほど時間を持て余してしまったので、
のんびりと山菜そばを食べつつ、持参したパソコンで仕事してました
(尾瀬ヶ原をパソコン背負って歩いてました)。
その後、15時頃に鳩待峠を出たバスは、なんとかっていうお土産物屋や、
高速道路のPAでトイレ休憩を挟みつつ、19時頃に池袋駅に着いたのでした
(往路の集合場所とは違って、駅チカの適当な場所でおろされました)。
30年ぶりに尾瀬に行ってみた感想としては、
「大人になると尾瀬ってはるかでもないんだな……」ということ。
思い出はずいぶんと美化されていたようです。
弾丸日帰り山行ということで言えば、
ただ、アップダウンもないし、無心に歩くのには日本一の場所だと思います。
もし草花の最盛期の晴れた日に来られたら桃源郷のように美しいでしょう。
また小屋やトイレ事情もかなり良いので、
仲間や家族とのグループハイキングにもってこいですね。
7回行った父親によると、「草紅葉の時期も良いよ」とのことなので、
今度は誰かを誘ってまた行こうかと思います。
それに一応登山者の端くれとしては、燧ヶ岳や至仏山には来ないとね。