〈MH〉大人の夏休み。晴れのち雨の穂高へ(上高地〜涸沢〜奥穂高岳〜岳沢〜上高地)
そこはまさに別天地でした。
8月最後の金曜&土曜、いつもの3人で一泊二日の山行。
向かった先は、みんな大好き北アルプス! の「穂高岳」。百名山です。
穂高にはいくつか峰があるんですが、
僕らが行ったのは一番標高が高い「奥穂高岳」(3190m)。
リーダーは30年通ってる山。僕ともう一人は初めて。
そんな力量差の激しいパーティーでしたが、
さらに、1日目の夕方から雨に降られましたが、
世に聞こえた「ゴールデンコース」を
なんとか楽しく歩き通すことができました
当ブログ最長記事になりますが、写真でざざざっと振り返ります。
…………
前夜(木曜夜)、23時新宿発の夜行バス(起点は竹橋)で上高地へ。
京王プラザホテル近くのバス乗り場に、各地に向かう夜行バスが続々と到着。
登山客が多かったです。
僕らが乗ったのは『毎日アルペン号』。
4列シートですが、たまたま前後の席間がかなり広い席でした。
快適だったのですが、案の定、ウトウト程度しか眠れなかったです。
これが翌日のバテに繋がるんだよなー。
…………
朝5時すぎ、上高地に到着。
続々と各地からのバスが着きます。この時間には登山客しかいません。
…………
朝食&準備。
金&土の天気予報は、直前まであまり良くはありませんでした。
でも、ここまで来たら気にしてもしょうがない。
…………
朝6時前、出発。明日はここに戻ってきます。
しばらくは平坦な道を行きます。
…………
朝靄に浮かび上がる穂高の峰々。
梓川(あずさがわ)は夏でも雪解け水を運んでいてスーパーコールドなため、
靄(もや)が発生するようです。
美しい。
一般の観光客が上高地に大挙して押し寄せるのもわかります。
…………
数匹の猿がおっさんのようにたたずんでました。
…………
左手に明神岳(2931m)を見ながら歩く。
これだけ立派な山に、一般登山道がないっていうんだから、
北アルプスはどれだけタレント豊富なんだって話です。
神奈川に連れて帰りたい。即座にエースで4番だよ。
…………
このルートはだいたい1時間ごとに山小屋が。ここは明神館。
…………
さらに1h歩いて、徳沢の徳澤園。
…………
……にて、名物のソフトクリームを食べるチームメイト。
ヤローのツーショット、いらなかったですね。
右がリーダーです。左は「パタゴニ男」。
リーダーは、僕ら2人の荷物をかなり背負ってくれてます(感謝)。
…………
3ヶ所目は横尾の横尾山荘。
…………
ここで靴ヒモと気持ちを締め直して……
…………
吊り橋を渡って、こっからが登山本番。
…………
標高を上げていきます。
これは左手に見える「屏風岩」。
クライミングのメッカの一つだそうです。
僕らはここに登るわけではないのですが、
数時間以内にここより高い所にある山荘まで行きます。
うーん。大丈夫か。
…………
休憩スポットの本谷橋。
…………
今日は迷うような場所はありませんが、現在地を確認。
…………
さらに登っていきます。
2時間後、これよりキツイ傾斜の道を行くので体力温存で……。
…………
南岳の方向と思われる稜線と横尾尾根。左端は北穂高岳かな。
大人の夏休み感、出て参りました。
…………
お花も色々と咲いてました。
…………
そして、涸沢(からさわ)に到着。ここでたっぷり休憩します。
…………
涸沢ヒュッテ内には漫画&映画『岳』関連の掲示物が。
この辺りは原作マンガの舞台であり、映画ロケ地でもあります。
…………
涸沢と言えば、真夏でも雪渓の残る涸沢カールが有名です。
よく山岳・アウトドア誌の写真特集や表紙になったり、
カレンダーになったりしてますね。
ここでも標高は2300mあります。
上高地からここまでの往復コース(山頂には行かない)もかなり人気あり。
僕らは今日中にさらに上へ。
ちなみに、明日は写真中央やや右側の尾根を歩きます。
だいぶ雲が出てきてますねぇ。
…………
縦位置でもう1枚。
今回はデジタル一眼レフカメラを持って来ました。
星空を撮るためにミニ三脚も持ってきていて、
リーダーのザックに突っ込んであります(出番がなかったっすが……)。
視線を右に転じると……この記事のトップ画像のような感じです。
ざっくり言えば、涸沢カールは3方向を山に囲まれた場所です。
…………
涸沢にあるもう一つの山小屋(涸沢小屋)のデッキを通り、
奥穂高岳への道へ。
「が、外国みたいだ……」とパタゴニ男。
うん、それで外国の人が、ヨーロッパのアルプス山脈にちなんで、
「日本アルプス」って付けたらしいんだけどね。
…………
穂高岳山荘まで高度を上げていきます。
10分歩いて振り返ったら、もうこんな感じ。
…………
ほとんどずっと岩場です。600mぐらい上がります。
ゴールは、画像中央の稜線がガクッと凹んでる所にある山荘です。
と、とおいぜ……。この辺でバテバテに。
…………
休みながらじゃないと無理。
聞けば、本来「二泊三日推奨」のコースだという……(汗)。
リーダーは僕らの10倍ぐらいの重さを担いでるのに涼しい顔。
…………
酸素が足らず、苦しいが、前穂高岳の方角に吠えてみる。
「もうこれで勘弁してくださーい」。
…………
山が許してくれないので、
リーダーに山小屋の受け付けを任せて、隊列を離れてのんびり行くことに。
「たぶん2000m病(高山病の一種)なんじゃないかな。
動けないってことはなさそうだけど、ゆっくりね」(リーダー)
…………
差は開く一方だけど、息切れが激しいし、足場も悪いのでマイペースで。
…………
そして、上下両方向から雲がやってきて雨が落ちてきた。
この後、翌日まで晴れることはありませんでした。
…………
雨の中一歩一歩ゆっくり上がり、本日の目的地へ到着。
何も見えんがな。
無事、先行した2人とも合流。
…………
今晩のお宿、穂高岳山荘。
…………
山荘近くの雪渓。リーダー、ここにビールを冷やしに行きました。
…………
クタクタになったけど、とりあえず初日終了♪ かんぱーい!
…………
山荘の中をプチ探検。まず食堂。
…………
ストーブの有るリビングみたいな所。「太陽のロビー」と言うらしい。
…………
2F。大部屋がいくつかあり、雑魚寝状態。
この日は定員(250名)をだいぶ下回っていたと思います。
…………
僕らはしっかり疲れを取るため、個室にしました。
プラス8000円。3人で割ると2666円。これ、正解でした。
普段、テント泊しかしてないリーダー。
「相部屋は…………正直あまり泊まる気しないんだよね(笑)。
個室空いてるなら、個室にしない?」
……ということで、事前の電話予約時に個室希望を伝えておき、
当日チェックインをし、1hほど待たされた後で
(山荘側が当日の宿泊状況を最終確認した後で)、
「OKです。どうぞお使いください」となりました。
ちなみに、リーダーは、山小屋に泊まるのは、
中学生時代以来30年ぶりだったようですが、
その30年前に利用したのが、ここ(穂高岳山荘)だったとか。
…………
山の上とは思えない、ちゃんとした晩御飯。
…………
雪渓で冷やしたビールを飲んで、気絶するように寝ました。
僕、いびきが半端無かったらしい……。
…………
翌朝、案の定、天候は回復せず。3人で会議。
すなわち、来た道で戻るか。
眺望はないが、当初の予定通り、奥穂高岳経由で下山するか。
奥穂高岳への道は、奥にぼんやり見えているこの壁のような岩塊です(汗)。
…………
「奥穂高岳、行っとくか!」ということで、
部屋で弁当を食べてしまう。まだ館内の灯りがつかないのでヘッドランプにて。
夕焼けも星空もご来光も見られなかったけど、ありがとう穂高岳山荘。
また来ます。
…………
場面はいきなり飛んで。
山荘から約1h。アスレチックみたいな岩場の急登をやっつけて、
奥穂高岳山頂。3190m。
ミニ神社(?)がありました。
…………
山頂直下で休憩。こんだけ見事にガスってると楽しくなってくる。
全力で「やっほー!」と言い放つも、すぐ吸い込まれました。
さあ、「吊尾根」を歩きましょう。
…………
雨の中、僕らのテンションが上ったのがコイツ。
さて、保護色をまとったコイツ、見えますか?
…………
雷鳥です。
この日は8羽ほど見られまして、
さらには飛んでる姿も見られまして、
「初穂高でそれは……きみたち、幸運すぎ」とリーダー。
…………
…………
「紀美子平」というポイントへ。
当初はここから「前穂高岳」まで一往復しようかって話でしたが、
眺望もないだろうからということでパス。
休憩中、「お、団体さんが登ってくるね」と、下を見るリーダー。
…………
高度感のある道を、23名の団体さんが上がってきています。
たぶんガイド付きのツアーなんでしょう。
道も過酷なら天候も過酷で……おつかれさまです。
…………
自分たちが歩いてきた吊尾根を振り返る。
この稜線の右側が、昨日いた涸沢になります。
…………
こっちは昨日、梓川の横を歩いている時に見た明神ヶ岳。
…………
ガッツリ下って、岳沢小屋へ。
…………
全行程の8、9割を終えたということで、軽くお疲れさん会。
ゆっくり休憩しました。
…………
あとは2hほど下るだけ。
…………
登山口、到着!
…………
登山口付近は散策路を歩く一般の観光客でいっぱいでした。
一気に現実に戻ってきた感覚。
上高地バスターミナルまで戻ります。
…………
上高地バスターミナルに到着。
行きはバス1本で来たけど、同じバスでの帰路は中央自動車道の渋滞が厄介。
バス・電車・JR特急あずさ、と刻んで帰ることにします。
…………
リーダー、バスで見知らぬ人と添い寝。
…………
…………
こういう写真を撮るのが、リーダーの密かな野望だったらしい。
…………
松本駅到着。
駅舎の一角にある蕎麦の有名店「榑木野」(くれきの)でミニ打ち上げ。
あ、蕎麦を撮ってない。
…………
そして、あずさ号で新宿へ。
どこでもすぐに寝られるリーダー、アグレッシブな寝相(笑)。
いや、リーダーがいなければ、一泊二日でこのコースは歩けなかった。
ホントありがとうございました!
…………
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
後半、雨で眺望はなかったですが、大人の夏休みを満喫しました。
もし晴れてたら、星空とかご来光とか、頂上からの展望とかで
写真が倍増してたんじゃないかと思います。
それはまた撮りに来たいと思います。
一つ気付いたのは…………
体力的に追い込まれた途端、写真が雑になるってこと。
余裕が無いと、ただその場でシャッター押してるだけなんだよなぁと
帰宅して、400枚オーバーの写真を見ててよくわかりました。
山岳写真家の方々を、ほんとリスペクトしてます。
それはそれとして……さあ、次回、北アルプスのどこへ行こうかな?