〈MH〉まだ雪山でした。赤城山(黒檜山&駒ケ岳)
いつもの友人、「パタゴニ男」とです。
赤城山は、東京から関越道で新潟方面に向けてしばらく走っていると
正面右側に見えてくる立派な山で、日本百名山のひとつ。
「赤城山」という名前のピークはなく、
その山域(山塊?)をまとめてそう呼んでいます。
最高峰は1827mの黒檜山(くろびさん)。
このあたり、中央道を東京から長野方面に走っていると右手に見えてくる
八ヶ岳と似たポジションにありますが、
あちらはさらに標高が高く、見どころ豊富でブランディングにも成功しており、
登山者的な人気の面では結構な差があるように思います。
もうちょっと関越道を北上すれば「谷川岳」もあるし、
夏山としてはそこそこ楽に(90分程度で)登れてしまうし、
「後回しにされやすい百名山」というところがあるかもしれません。
僕自身がそうでした^^;
でも、実際に、赤城山主要コースの一つ、
黒檜山&駒ケ岳周回ルートを歩いてみたら、なかなか登り応えもあり、
眺望もまずまずで、稜線も気持ち良く歩けて、想像以上に良かったです。
特に、冬山装備のある人なら、
ここでスノーハイキングデビューなんてのも良いのではないでしょうか。
……ということで、写真でざざざっとご紹介します。
…………
神奈川を朝4時に出て、7時に「おのこ駐車場」に到着
(この写真は下山してから撮ったものです)。
赤城山は大沼(おの)の周りにいくつも駐車場が点在しているので、
停める場所に困ることはそうはないでしょう(夏はわかりませんが…………)。
赤城山までは、前橋ICから一般道で行くのがメジャーかと思いますが、
さらの奥の赤城ICからアクセスする方が車の通行量が少ないので早く着くと思います
(帰り、間違って前橋ICに行ってしまい市街地の渋滞にハマって萎えました)。
僕らが行ったのは、2017年3月18日(土)。
レンタカーで行きました。タイヤは当然ノーマル。
99.9%の路面はドライだったので走行に支障なし。
登山口駐車場の方まで雪かきも丁寧になされていました(路肩に雪あり)。
ただし、標高1,000mを越えた辺りから(おのこ駐車場は標高1,360m)、
部分的な路面凍結や粉雪の吹き溜まりがあったので、そこは減速して通りました。
それが午前6時台の話。
正午頃、帰る時には部分的な路面凍結もきれいに溶けてなくなり、
ほとんどドライな路面になっていました。
冬用タイヤやチェーンなどを持ってないマイカー派登山者もいるでしょうし、
僕らのようにレンタカーでアプローチする人もいるでしょう。
ちょっと出たとこ勝負なところがあったのですが、
僕らが行った2017年の3月中旬はそんな路面状況だったということで。
…………
長くなりましたが、ここからが本編です。
おのこ駐車場で身支度を整えて出発。
黒檜山登山口まで徒歩で移動。約20分。
この時は風の冷たさにびびってました。
「これで上に上がったらどうなるんだろう……」と。
たしかこの時の気温が-5度だったはず。歩いていてもなかなか暖かくなりません。
ルートの脇に赤城神社があるのでせっかくなので立ち寄っていきます。
写真の右側に見えているのが目指す黒檜山。
なかなか斜度がありそうに見えました。
…………
で、登山開始。約90分、登り一辺倒です。
これはパタゴニ男のアイゼンとピッケル。
ピッケルはそんなに出番はないと思いますが、
前爪のあるアイゼンはある方が良かったです。
僕はチェーンスパイクだったのですが、
思った以上に積雪があり、登山道の斜度もあったため、
登りも下りもグリップが効かず、
足に力を込めるとズリ下がってしまうことが多かったです。
それで結構疲れました。
といっても僕は、
前爪のあるアイゼン(10本〜12本爪アイゼン)は持ってないので、
チェーンスパイクが最大の雪山装備^^;
下山後、我らが"隊長"に報告したら、
「フリーサイズ対応の10本爪アイゼン、貸したのに」と言われましたが……^^;
もともと僕がチェーンスパイクでも良いや、と思ったのは、
某誌の別冊で「赤城山は基本的に厳冬期でなければチェーンスパイクでも行ける」
と書かれていたのを鵜呑みにしていたから。
結果的に行けたと言えば行けましたが、他の人には勧められません。
この日僕らは40人ぐらいの登山者とすれ違いましたが、
チェーンスパイクだったのは4人ぐらいだったかな?
4本〜6本爪アイゼン(前爪なし)の人も4、5人いたと思いますが、
その他大勢が10本爪or12本爪アイゼンでした。
…………
さて、登り始めて20分もするとこんな感じの景色が。
白いのは大沼で、結氷しています。
大沼はワカサギ釣りの名所でもあります(この日も釣り人が点在してました)。
画像中央の赤い社がさっき通ってきた赤城神社で、その左奥の方が駐車場です。
…………
展望地の一つ「猫岩」近辺で、
「富士山はこちら」の案内看板通りに遠望するパタゴニ男。
この日は快晴でしたが、春霞でしょうか、大気は若干白く濁り気味。
残念ながら富士山は見えませんでした。
…………
雪で滑る急坂に苦しみながらも稜線に出たので、
気分も軽く、山頂までダッシュ!
…………
黒檜山、登頂! これは僕。
…………
さらに数分奥に歩いて行くと、展望スポットがあるとのことで、
フカフカの雪道を行きます。
この道がもうボーナスステージ。
…………
おお、ここはなかなか……!!
写真に写っているのは見知らぬパーティですが、
かっこよかったので後ろ姿を使わせていただきます。
…………
やるよね〜(笑)。
雪で戯れたり、景色を眺めたりしながら、
あたたかーいコーヒーをいただきました
(雪がなければここでヤマメシを作ってたと思います)。
…………
で、黒檜山山頂の方に戻って、プチ縦走開始。
…………
標高を少し下げつつ、左奥に見えている駒ケ岳を目指します。佳き道かな。
ところで、日本全国にはいったい駒ケ岳がいくつあるんだろうか。
…………
黒檜山から1h弱で駒ケ岳に到着。
…………
駒ケ岳から関東平野を眺める。うーん、霞んでる……。
…………
駒ケ岳から大沼を眺める。出島っぽく見えるのが赤城神社。
さて、ここから下山です。
…………
分岐地点にて。
僕らは大沼の方に下りていきました。
なかなかの急坂のため、
やはりチェーンスパイクではグリップ力が弱く、何度かコケそうになりました。
…………
下山完了。湖畔を散歩しようかということになり…………
…………
結氷した大沼の上を歩いてみました。
どれだけの厚さの氷なのか皆目見当もつきませんが、びくともしません。
沼から黒檜山に手を振るパタゴニ男。
…………
適当に食堂に入り、ソバとワカサギフライを注文。美味でした。
…………
前述したように、帰りは前橋ICまでの下道で渋滞にハマりましたが、
3hちょっとで神奈川に戻り、3時すぎにお疲れさん会をしました。
思っていた以上に雪があった赤城山(黒檜山&駒ケ岳)。
その登山道や眺望はとても素晴らしかったのですが、
雪山の装備と経験を持つパタゴニ男と一緒でなかったら、
かなり心細かったと思います。
前爪アイゼン、ハードシェル、冬靴、それにできればピッケル……。
この辺りに手を出すと、あっちゅーまに10万ぐらい飛びますが、
この時期にそこそこの標高の山に行こうと思ったら、避けては通れない装備です。
マジメに検討するしかないかな〜と感じた雪の赤城山でした。