やまとものとひと

登山未満ハイキング以上。散歩&出張スナップ。YouTube: Koba Japan

〈YMH〉2021夏。最寄りの3,000m峰に登ってみた

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※緊急事態宣言のさなか、

ただ行きたいからという己の欲求のままに県境をまたいで登山に行きました。

不快に思われる方はこの先お読みにならずお戻りください。

 

…………

 

夏山に行きたい。それも高い山に。

毎年7〜8月はそんな思いにかられます。

 

昨年(2020年)は八ヶ岳(赤岳)に行きました。

 

monotohito.hateblo.jp

 

では今年は?

 

平日にマイカーで行ける近距離の高山がいいなと思い、

我が家から一番近い3,000m峰をネット検索。

 

あ、一度も登ってないドデカイ山が

我が家から約100kmの所にあるじゃないか……!!

 

Mt. Fuji. 富士山です。

 

例年、夏山シーズンはとても混むという話を耳にしますが、

今年は人が少ないんじゃないかと。

 

そんなこんなで一泊二日で「初富士登山」、行ってきました。

 

その模様を動画にまとめています。↓

 

youtu.be

 

 

案の定、バテバテのヘロヘロになりましたが(特に初日がキツかった)、

なんとかほぼ標準コースタイムぐらいで登れました。

 

天候にも恵まれ、ご来光(雲多めでしたが)とお鉢巡りも堪能しました。

一言で言えば「行って良かった〜」です。

 

山登りが好きな人ほど、

 

「富士山は登る山じゃなくて見る山だ」

「人が多すぎて歩きづらい。特にご来光登山の時間」

「山小屋のサービスが悪い。布団1枚に2人で詰め込まれる」

「登山道と景色が単調でつまらない」

 

と語り、敬遠しがちだと思います。かくいう僕がそうでした。

 

でも、混雑を避けるような計画を立てれば快適に楽しめると思います。

それはたぶんコロナ禍後も。

 

以下、自己問答。

 

…………

 

● 富士山は登る山じゃなくて見る山だ

 

富士山は見る山としてピカイチなのは間違いありません。

秀麗という言葉がこれほどしっくり来る

3,000mオーバーの独立峰は富士山の他にはほとんどありません。

日本人の「山」イメージそのものでしょう。

 

「富士山は見るだけでいい」なんて仲間と話すこともありましたが、

心のどこかに「一生で一度ぐらいは……」という気持ちもありました。

 

実際に行ってみてどうだったか。

感動しました。

 

剣ヶ峰に立った時、

「日本で一番高い所に自分の足で登ってきた。これより上はないんだ」と、

達成感と高揚感と終りを迎える切なさが混じったような感情に包まれました。

 

他の山ではなかったことです。

登りがキツかったから安堵したというのもあると思いますが^^;

 

たぶんこれ、富士山に登った人ならわかってもらえる気がします。

例えようもない感情が湧いてくる山。それが富士登山ではないかと。

 

…………

 

● 人が多すぎて歩きづらい。特にご来光登山の時間

&

● 山小屋のサービスが悪い。布団1枚に2人で詰め込まれる

 

例年、夏の富士山の盛況ぶりというか混雑ぶりが報道されていて、

それもハイカーに二の足を踏ませる理由になっていると思います

(オーバーツーリズムであるとも言われますね)。

 

僕も他人の背中を見続けるような山歩きや、

他人と密に寝床を共有するような山小屋泊はまっぴらごめんでした。

 

ということで、平日に行くと決め、

4つある主要ルートのうち、3番人気(たぶん)の須走ルートを選び、

山小屋もあまり上の方ではない『見晴館』(本七合目)にしました。

 

他のルート、他の小屋との比較はできませんが、

これで良かったなと思いますし、人にもオススメします。

 

初日、須走口五合目を出発したのはお昼で、

見晴館に着いたのは16:30

(事前に山小屋の方に電話で到着予定時刻を伝えています)。

 

その間、自分の前後に人の姿はほとんどなく、他の人とすれ違ったり、

追い越したり、追い抜かれたりというのは数えるほどでした。

 

見晴館は最大80人収容可能だそうですが、この日の宿泊客は10人程度。

感染症対策もしてあり、清潔で寝床も十分な広さがあり、快適な環境でした。

「今年はシーズン中の土曜の宿泊は早く埋まりました。

他の曜日はだいぶ空いてますね」と小屋の主人。

 

また、ご来光を山頂で迎えるために

2日目の深夜2〜3時に起きて行動する人たちが多く、

繁忙期はそれで九合目〜山頂にかけて

登山道で渋滞が発生すると言われていますが、

 

僕はご来光は小屋前で見られれば十分と思っていました

(実際に見られました)。

 

つまり、オフピーク登山にした訳ですが、

やはりご来光後の朝6〜8時頃の本七合目から上の登山道は空いていました

(すれ違う下山者は多かったです)。

 

僕は午前9時〜10時にかけて

お鉢巡り(最高峰の剣ヶ峰を含む1hほどの火口散策ルート)をしましたが、

1時間の間ですれ違う人は20人もいなかったと思いますし、

須走ルートの下山道はもっと人が少なかったです。

 

ちなみに、僕が見掛けたのは年齢層の若いグループや、若いカップル、

外国人グルーブ(山小屋の方によると日本在住の外国人だそう)が多く、

シニアや単独行の人は少ないとは言い切れませんが、

割合としては少数派でした。

 

高山病なのかバテたのか、ヘロヘロになって座り込んでる若い人も

何人か見掛けましたが、ほとんどの人が「富士山に登る」という

一大イベントに高揚している様子が伝わってきました。

 

「こんにちは」「ハロー」「おつかれさまです」

「あともう少し」「がんばって」

 

こんな言葉をたくさんかけてもらい、こちらからもたくさんかけました。

この何気ない言葉たちも、富士山で発せられると

普段とは違う響きを帯びているように感じられるから不思議です。

 

…………

 

● 登山道と景色が単調でつまらない

 

これもよく言われることですね。

 

富士山は標高が高く、五合目あたりが森林限界になっています。

また、火山であるため基本的に溶岩性の岩と砂礫の道を進みます。

つまり、上に行けば行くほど、目に入るのは土、砂、岩ばかりです。

 

でも、須走ルートは五合目から本六合目ぐらいまでは樹林帯で、

木立が美しく、鹿もいて、歩いていてなかなか気持ちのいいルートでした。

雨風や直射日光も避けられます。

 

本六合目から上はバテバテであまり覚えていませんが(汗)、

基本的にザレ場(砂礫)続き。

植生はほぼなく、荒涼とした岩と砂の道を登っていきます。

でも、景色もいくらかは変化するし、単調とは言い切れないなという感じです。

 

ですが! 下山道の大半は単調です。

 

須走ルートには「砂走り」と言う下山者向けの直線的な道があるのですが、

ただの砂の坂といった感じで風情などなく、風景は代わり映えせず、

足がどんどん疲れて痛くなってくるし、全身砂埃まみれになります

(帰宅してすぐザックと靴を洗ったんですが、

洗っても洗っても細かい砂が出てくるのには閉口しました)。

 

もし同じルートでもう一度富士山に行きたいかと問われたら、

答えはYesですが、下りの砂走りだけは憂鬱でなりません……。

 

…………

 

ということで、

 

どちらかというと富士登山にネガティブなイメージを抱いていましたが、

登ってみたら「行って良かったな」と思いますし、

人にも「一度は行ってみては?」と勧められます。

 

僕自身、須走ルート以外の

3つ(吉田ルート、御殿場ルート、富士宮ルート)でも

登ってみたいと思っています。

 

そろそろ富士山の山小屋は小屋締めの時期。

行くとしたらまた来夏ですね。

 

…………

 

この「富士登山オフィシャルサイト」(↓)は、

計画を練る時にずっと見てました。

 

www.fujisan-climb.jp